腸内細菌のお話
2025年07月15日 10:58
2025年7月15日(火)
人間の腸内には、善玉菌と日和見菌と悪玉菌が生息しています。
「健康増進の為に善玉菌だらけにすればいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、
実は、理想的な腸内環境は、善玉菌20%・日和見菌70%・悪玉菌10%、なのです。悪玉菌も少し必要なのがおもしろいですね。最も興味深いのは、日和見菌は優勢な菌の味方をする菌であるということです。善玉菌が多い環境にすむと善玉菌のお手伝いをするし、悪玉菌が多い環境にすむと悪玉菌のお手伝いをするという、なんとも柔軟な菌なのです。
さて、もうお気付きですね。日和見菌を味方につけることが、健康な腸内環境維持にはとても大切なのです。日和見菌は、土壌菌に多く含まれています。土壌菌というのは、どこにでもいる菌で、特に発酵食品に多く含まれています。土間で料理をしたり、畑からとれた少し土が付着したような野菜を食べたりといった日本古来の生活の中で、私達は意識することなく多量に摂取していました。戦後、海外からの食品を食べる機会が増え、さらには昨今の清潔・除菌ブームで、土壌菌の摂取量は格段に減り、今、我々の日和見菌は、戦前の日本人の3分の1にまでなってしまったと言われています。
意識的に増やしていく為には、善玉菌と日和見菌が好んでエサとする発酵食品、豆類、繊維質の多い野菜、海藻類などを
意識的に毎日食べることが大切となります。
さらに、腸内健康環境には、多様性を維持することがとても重要で、理想的な菌種は約300種類といわれています。
体にいいからと毎日同じ食べ物ばかり食べるよりも、多種多様な野菜や発酵食品などを摂取するほうがより効果的です。
人間社会も、多様性のある日和菌パワーが最も力を持つところや少しの悪玉菌が消えることなく存在しているところが似ていますね。不思議な事ですが、目に見えないような小さな世界と大きな世界が似ているのが宇宙なのです!!