飢餓に強く肥満に弱い動物
2025年08月01日 10:31
2025年7月23日(水)
我々人類の歴史は70万年以上ずっと飢餓との闘いであり、基本、飢えて痩せていました。肥満になれる程食料が豊富になったのはたった100年前からなので、人間の体は、飢餓には非常に強いのですが、肥満には適応しておらず、肥満になるとありとあらゆる病気を引き起こします。
飢餓に強い人間の体の事例ですが、比叡山延暦寺の千日回峰行者は1日8時間以上山中を走ります。理論上の必要カロリーは3000kcal以上ですが、彼らの1日の摂取カロリーはたったの1000kcalです。
人間には、起床時、肝臓に2000kcalのエネルギーが蓄えられています。これは30Kmを走ることができるエネルギーです。その為、原始時代は空腹でも獲物を探しに行けたのです。30kmといえば、いわゆるマラソンでいうところの「30kmの壁」がわかりやすい。一流選手は、まず食べずに朝30km走るそうです。人間は、脂肪細胞1Kgで、なんと100Km走ることができるのです。びっくりですね。
人間はこれほど飢餓には強いのですが、その分、逆に、肥満にはとても弱く、ありとあらゆる生活習慣病を引き起こします。内臓脂肪から生活習慣病を引き起こす生理活性物質が分泌されることが、近年の研究で証明されました。余分な脂肪細胞は慢性的に体に炎症を起こし、動脈硬化の原因となります。
「ちょっと太っているぐらいが貫禄もあり、優しそうで、健康そうに見える」という説はさておき、健康維持のためには、肥満の解消はとても重要なのですね!!